「この報告書は、まんだらけのオタク社員たちに富士登山を挑ませた熱血取締役の記録である
普段ろくに運動もせず好きなことだけやっているオタク社員たちが登山部活動の中から健全な精神を培い、
わずか数ヶ月で富士登山をなし遂げた奇跡を通じてその原動力となった、信頼と愛を余すところなく記録化したものになる予定である」

2014年8月22日(金)登山部 第四回活動報告【富士山 吉田口ルート日帰り登山】

※写真をクリックすると大きくなるよ!

【タイムスケジュール】
1:00中野店から社用バスに乗り
富士スバルライン五合目まで移動
3:30富士スバルライン五合目 到着
4:59小御岳神社の展望台でご来光を拝む
5:30登山開始
11:30先発隊登頂
13:30後発隊登頂
16:30先発隊下山
17:40後発隊下山


富士山を日帰りで登山する為に1時に中野集合!
って、13時じゃないですよ、夜中の1時!お疲れさまです。
まんだらけ登山部の朝はとうとうここまで早くなってしまった・・
前日までフツーに働き、ちょこっと仮眠して平気で1時集合してくる部員たち・・・
『弾丸登山はやめしょう』の富士山の注意書きを丸っきり無視した形でまんだらけ登山部の富士登山はスタートした。

今回の登山を支えるのは何と言っても数ヶ月前に購入したマイクロバス。
コイツなら、富士スバルラインからのゴールド切符でマイカー規制がされる中、堂々と登山口近くの駐車場まで乗り入れられる。
しかも、29人乗りのバスに10人だけ。ゴロンと横になって寝て行ける。
こりゃいいわーと喜んだのも束の間、仮眠するはずの車内のテレビは延々と深夜アニメ(残響のテロル→RAIL WARS!→普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。…)
を流し続けている。その真ん前には、取締役で経理部長の川代さん。
寝る気ないんだな、この人・・・

そうこうしているうちに、午前3時半、車は五合目に到着。
車から降りたメンバーが「わー、すごい!」と叫ぶ。
次々と車から降りたメンバーの頭上には満天の星空!
そして、そこに流れ星!
たとえ山頂まで行けなくても、富士山に来て良かったと思えた出来事の一つ目。

午前4時。最近出来た24時間オープンのレストランでおにぎり2個と豚汁のとても早い朝ごはん。
これからの長い道のりを考えて、しっかりお腹に納めておく。

午前4時半、登山口横にある小御岳神社の展望台に移動。
眼下に広がる雲海は本当に雲が波のうねりのように見える。
言葉や写真では表せないような風景に一同感動。
この雲海は、富士登山をしなくても見る価値がある富士山に来て良かったと思えた二つ目の出来事。

その日の五合目のご来光は午前4時59分。
そこで朝日が昇るのを待っていたのは私達と他に数人だけ。
静かな雰囲気の中、徐々に空が赤く染まっていく。
顔を出したお日さまは、私達が想像していたよりずっと濃い蛍光色のピンク色で山々と雲に朝日が当たると、これまた表現しようがない美しさ。
ご来光も拝んだことだし、もうこれだけでも十分と思えた三つ目の出来事。

もうかなりお腹いっぱいな気分でもあったのだけれど、メインはこれから。午前5時半、ゆっくりと登山開始。
今回の富士山は登山部のフルメンバー9名が参加。

4ヶ月前に高尾の駅前に集合した時と同じメンツかと目を疑うほどにアルピニスト風な出で立ちに変わっていた。
その中でも一番の変貌は、マンダレイの中津っちゃん(なかっちゃん)。
お気に入り過ぎて、破れるほど着ているいつもグレーのパーカーを脱ぎ捨て何とスパッツまで履いている!
「これ、いくらか知ってます?」下世話な竹下だ。
「1万5千円ですよ、1万5千円」
聞けば、3〜4千円と思って値札も見ずにレジに持って行った中津っちゃん。
レジで値段を聞いてびっくりしたものの、やめる勇気がなく購入したそう。
先日からの風邪が治らず、「もしも、ダメだったら申し訳ないですが、途中でリタイアするかも知れないです・・」いつになく弱気な中津っちゃん。
折角スパッツも買ったことだし、行けるところまでは行こうということで足取り重めでのスタートとなった。

もう一人の風邪気味メンバーが広報の鍋島部員。
いつも飄々と登っては途中で女の子に声を掛ける余裕を見せているのに、今朝はちょっと違う。のど飴を携帯し、余計なことはせずに登ることに集中するそう。

寝る間を惜しんでアニメを見ていた川代さんは、「行けるところまで頑張ります」とちょっと謙遜気味でのスタート。
藤川姉妹は、五合目着いた時からテンション高く、装備は完璧、高山病の心配もなさそうだ。
そして、どんな状況下でもタフなのが、竹下、久保田、小山の3人。
私(西田)は、自分の体調不良で富士登山を延期させているため、今回は無理せず、後ろの方からそぉーと付いて行くことにする。

最初は、馬でも登れるような緩やかなコースで、中津っちゃん達の後ろを歩くメンバーの歩調に合わせつつ、七合目近くまで来た。
中津っちゃん、相当しんどそうだ。
「酸素、吸ったほうがいいですよ」他のメンバーに言われても「いえ、大丈夫です」と頑固な中津っちゃん。
それもそのはず、富士登山で最重要な酸素を携帯していないとは!
どう考えてもスパッツより重要でしょ?
仕方がないので私の酸素を与えてあげていると、「何か長良川の鵜飼みたいですね」と竹下。
それでも体力が回復しないので、「ここでやめます」と中津っちゃん。
この先もっと大変なところで動けなくなったら大変なので、とのこと。
「そっか、残念だけど、その方がいいかもね」と中津っちゃんとの別れを惜しんで最後の様子の写真を一枚。
先を行っていた小山くんが慌てて走って下りてきて、「じゃあ、そのスパッツ、ボクに貸して下さい!」
中津っちゃん、慌てて立ち上がり、登山道でスパッツを脱ごうとする!
「いやいや、冗談ですよ」と小山くん。
もはや、中津っちゃんは冗談も分からず、その場でスパッツを脱ごうとするほど疲労困憊状態。

「中津っちゃん、気を付けてねー!」別れのメッセージを送って、メンバーは8人になった。

そこから、ゆるやかだった登山道は岩場に変化した。
手も使わないと登れないようなところもあり、なかなかタフなコースだ。竹下が「この岩場、あとどれくらいですかねー」何度も聞いてくる。
その度に、「もうちょっとだったと思うよー」と、適当に答えていたその言葉を信じては裏切られ続けること数回、竹下は完全に私の言葉を信用してくれなくなった。

富士山の八合目は長い。八合目の入り口、本八合目、八合目の出口とどこまで行っても八合目が続く。
道も細くなってきて、後発部隊を待つ場所もなくなってきた。
みんなに高山病の不安要素もなくなってきたので先を行く竹下、久保田、小山、西田は11時30分までの登頂目指してペースを守って登ることにした。
川代さんには川代ペースで行ってもらおう。

後の部隊のなべし、姉妹は自分たちの行けるスピードでゆっくりと休憩を挟みつつ無理せず歩みを進めることに。
と、そこへ一本の電話が!
中津っちゃんだ!五合目に着いたのかな?
「ちょっと回復したので、これから登ってもいいですか?」
まさか?!また今から登ってくるのか?
一旦、五合目に下りてからまた登ってくると勘違いした私は即座却下!よく聞いてみると、もうそこまで来ているというのでOKし、中津っちゃんも後の部隊と共にゆっくりと登ってくることに。

呼吸が苦しくなる九合目を過ぎ、先発メンバーは11時30分山頂到着。
着いてみたら頂上は別世界の寒さ。
耐えられなくなった一行は、写真も撮らず、山小屋でラーメンを注文。
ほどなくして、どこで知ったか、山小屋「東京屋」に川代さんが到着。
疲労から来る寒気は止まらないので、続いてホットコーヒーを注文し更におしるこを注文… 山頂で待つこと2時間が過ぎた。
寒さが限界に、そして頭が痛くなってきた。
待っている間にまさかの高山病?!

そこへ、なべしが到着。そして、疲労困憊の中津っちゃんも到着。
最後に藤川姉妹が元気に笑顔で鳥居をくぐった。

本当にお疲れさん!みんなで山頂に来られて本当に良かった!

記念写真を撮り、富士山の火口をチラッと見て、ここから一気に下る。
これがまた単調でとてつもなく長い。
ストックなしでは足が滑って思うように下りられない魔の下り坂。
小山くんと中津っちゃんはストックなし。
小山くんは良しとして、中津っちゃんは大丈夫か?体力は持つか?
心配しつつ、先発隊が午後4時30分、下山。
後発隊も1時間遅れの午後5時40分にバスに戻ってきた。
12時間に及ぶ長い登山は無事に終了。

この後は、温泉に入って、軽くビールで乾杯して・・・
何と竹下、着替えを持ってきていない。
温泉に入ってすっきりした後に、また汗かいた服を平気で着る竹下さん、尊敬します。

バスは、午後10時30分、バスは中野へ到着。そして、それぞれの家へ。
出発してから21時間30分。登山部の長い長い1日が終わった。

翌日の富士山は、雷雨と山頂は雪模様。
私達が登った日は、奇跡的な1日だった気がします。
次の登山部の活動は、10月3日(金)場所は那須岳です。
次回は、初めて登山部顧問の辻中取締役も参戦。
お楽しみに!

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