バービーはご存知アメリカのマテル社の人形です。
1959年に誕生して日本ではその3年後から販売が始まりました。
誕生直後はファッションドール自体が少なかったのでバービーの天下でしたが新たな人形たちが次々と生まれ、また日本人の好みとバービーが微妙に離れていって... 色々な要因が重なって日本とバービーが疎遠になっていたのが70年代後半。
でも「バービー」と言ったら強いブランドです。
この名前を使わないのはもったいない。
ならば日本人の好みに合わせたバービーを作ろう！という事で生まれたのが和製バービー。
名前はバービーですが実際に人形をデザイン製造しているのは日本です。
1982年にタカラから初の和製バービーが発売されました。
タカラバービーと呼ばれるシリーズです。
こちらは大ヒット！
これだけなら全く激動ではないのですが86年にマテルとタカラの契約が切れた事から和製バービー混乱の日々が始まります。
86年にマテルとタカラの契約は更新されませんでした。
しかしタカラバービーはとても売れています。
これをこのまま終わらせるのはあまりに惜しい。
幸い人形のデザインは完全にタカラのオリジナルです。
なら人形はそのままで名前を変えればいい！ ということでタカラバービーはジェニーに改名します。
設定上は舞台で演じた「ジェニー」が大変な当たり役だったのでそれを芸名にしたということになっています。
ここでまずお子さんは混乱すると思います。
更に混迷を極める原因となったのが新たに登場したマーババービーです。
マテルはタカラとの契約が終了したあとバンダイと組み合弁会社マーバを作りました。
そしてマーバが作ったオリジナルドールが公式バービーになりました。
しかしこのマーババービーがタカラバービー（ジェニー）にそっくりでタカラの逆鱗に触れ裁判に。
結局顔を作り直すことで和解します。
マーババービー発売から1年ほどの出来事です。
つまり短期間でバービーだと思っていた人形がバービーでなくなり、しかしそっくりなバービーも存在している･･･と思いきやいつの間にか全然顔が変わってる！
お子さんも親御さんもおもちゃ屋さんも大いに戸惑ったはずです。
しかも新たなマーババービーはアメリカ寄りの顔で和製である利点があまりない･･･
ここまで語っても実はまだ今日の主役のバンダイバービーは登場していません。
長くてすみません。
89年にはマーバが解散。
バービーはバンダイの扱いになります。
ここで再び顔のデザインが変わります。
これが今日の新入荷のバンダイバービーです！
アメリカっぽい濃い顔だったマーババービーとは違って大分マイルドに。
これなら日本の子も好きになってくれそう！
こちらはマーババービー時代の友人ソフィーの顔をベースに作られています。
先発の主人公より技術を積んでから生まれた友人の方がかわいいというのはドール界ではよくあること。
そこを活かしてきました。
これで和製バービーも持ち直すか？！と思われましたがとうとう巻き返せず91年にはマテルとバンダイの契約が切れ和製バービーの歴史は終了します。
背景を考えずに人形単体で見るとかなりかわいいのですが、当時を思い浮かべると見かける度にモデルチェンジしている人形というのは確かに結構しんどいです。
あの子が欲しい！と思い続けてようやく誕生日やクリスマスにお店に出向いたら顔が変わってる！なんて悲しいですもんね。
そんなで短命に終わってしまったバンダイバービーですが人形だけを見るとやっぱりかわいいんです。
流通量はタカラバービーやマーババービーと比べて圧倒的に少ないのでなかなか出会えません。
ちょっと気になってきた人はこの機会にお家に迎えてみましょう！
時代に翻弄されてきたバービーに安住の地を与えてみませんか？
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中野店 麻生
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