まんだらけ渋谷店内藤ルネ企画編集・伊藤文学発行「薔薇の小部屋」2冊セット再入荷

内藤ルネ企画編集・伊藤文学発行「薔薇の小部屋」全2冊セット
状態：並（経年によるシミが表紙に少しありますが、全体的には良好です）
税込価格10,500円
備考：2冊で廃刊になってしまったので、2冊で全号セットとなります。「薔薇族」の編集長・伊藤文学氏発行。

サンリオ出版内藤ルネ「幻想西洋人形館」
状態：並
税込価格：15,750円
備考：詩と構成を内藤ルネ氏が担当、被写体のビスクドールもルネ氏所有のもの。

前回は07年3月末にお出ししたので、ちょうど2年ぶりの渋谷店再入荷になります。
前回お出しした07年3月の半年後、内藤ルネ氏は74歳でこの世を去りました。
1980年まで少女たちの周りにごく当たり前に存在し、消化されていったインテリアや日常雑貨、マスコットなどは、
2000年以降も私たちの目に多く触れることとなるのですが・・・
それらを内藤ルネという一人の男性が手掛けてこの世に広めたことは、今の若者たちにあまり知られていなかったかもしれません。

森茉莉、吉屋信子、田村セツコ、美輪明宏、上田とし子、松本かつぢ、白石冬美、金井美恵子、四谷シモン、宇野亜喜良、先日まで銀座松屋で個展が開催されていた中原淳一・・・ある特定のアンテナをお持ちの方がみたらこんなに豪華なメンバーで雑誌を作ってしまったのか？
と驚き嬉しくてたまらないメンバーの特集がぎっしり。

創刊号である78年夏号では、ルネ氏が中原淳一氏に師事していたこともあり、「ひまわり」「それいゆ」「ジュニアそれいゆ」などの『少女雑誌』を大特集、続く2号で最終号でもある秋号では『少女小説』を特集、少女小説の大家・吉屋信子氏の小説にあの美輪明宏氏がイラストを手掛けた作品も読むことができます。

21世紀の今、「少女文化」を特集した色んな雑誌が発行されていますが、「少女文化」はある時は「乙女」、ある時は「sweet」ある時は「ゴシック・アンド・ロリータ」に名と姿を変え、
時代とともに細分化されよりディープに、特化したものになりました。

「薔薇の小部屋」はそれらとは異なるけれど、確実にどこかつながっている源流となるものを広く、後に単行本化することを視野にいれ深く取り上げたこの世に唯一といっていいほどの永遠の少女のための絵本と銘うたれた「少女雑誌」です。

ルネ氏が亡くなってしまった今、こんな雑誌を作り世に送り出すことは不可能だと断言できます。
「少女文化」はルネ氏の死と共に、何か一つの時代が終わってしまった気がするけれど・・・消して消えてしまったわけではなく
カフェオレボウル＝フランスどんぶり、硝子のレース皿、スノウドームなど
今も私たちが愛してやまないものたちを「薔薇の小部屋」のページにみるたび、確実に受け継がれているんだと再確認することができます。

今回は一緒に同じく内藤ルネ氏の手掛けたサンリオ出版のギフトブック「幻想西洋人形館」をお出しします。
ジュモーやブリュなどのルネ氏が所有していた貴重なアンティーク・ビスクドールにルネ氏の詩が添えられた74年発行の写真詩集。
ぜひご一緒に。

(担当神原)