2010/7/16 21:00掲載
まんだらけ 渋谷店

【ラノベ/コラム】文庫に溺れる小さな人のはなし web出張版 第2回


「左手一点集中で、火とか雷が出せると思っていた」
「あの信号機の色をいつもよりも2秒早く、青に変えたのは俺の眼力だ」
「自分はその一握りの存在になるべく生まれたと信じて疑わない」

以上のようなことを考えていたことがある方、それは巷で噂の“中二病”という症状です。

中二病とは、中学二年生(思春期)ぐらいの若者がやってしまいがちな言動・行動などを主に指し、前述のように「自分は魔法が使えると信じている」などの妄想系の症状から、「大人の敷いたレールを走りたくない」などの反社会的な症状まで、いろんなタイプがその症例として挙がっています。
・・・ぶっちゃけ医学的には病気でもなんでもないのですが、世間一般の認知度からすれば、これは立派な流行り病ではないでしょうか。
・・・ちなみに冒頭の例文は、担当自身が14歳の時に書いた20歳の自分に宛てた手紙に実際に書いてあった文面であり、100%ノンフィクションです。
我ながら、痛々しすぎます。
手紙が届いた当時、若気の至りでは済まないようなその内容に小一時間自分自身について考え込んだ思い出があります。
今では笑い話です。

今回、紹介するのはまさにその中二病の典型的なタイプといってもいい主人公が登場する作品。

富士見ファンタジア文庫
柳実冬貴 『Re: バカは世界を救えるか?』です。

主人公は、奇抜な容姿や言動で周囲から孤立している高校生・光一(“光一”と書いて“ライト”と読ませたいらしい)。
日頃から、魔法の世界や救世主など非現実的な日常における“特別な存在”になることを夢見て、意味深な台詞やどこかで見たような自己設定など、夢に一歩近づくための自作自演に余念がありません。
あくまでも本気。幼馴染も呆れる位大真面目です。
ところがある日、光一は通りすがりに少女が謎の悪漢に追われている場面に出くわします。
そこで、非日常の匂いを感じ取った光一は、「助けた方がカッコイイから」という理由で助けに入ってしまいます。
しかも、事情を聞いてみるとその少女がなんと“世界救済の鍵”だというのだから、もう大変!感激に身を奮わせた光一は、自分の実力など省みることなく、心から望んで仕方が無かった非日常の舞台へと、飛び込んでしまう…という物語です。

この作品の一番のインパクトは、やはり中二病の若者を体現したと言っても過言ではない主人公・光一のブッ飛んだキャラクター造形です。
銀の長髪・オッドアイ(カラコン)・奇抜な言動。
性格・容姿・行動のどの部分をとっても、これは「中二病である」以外の表現方法が思いつかないという、なんとも強烈な個性のキャラクター。
そんな、光一が本当に非現実的な場面に立たされたとき理想と現実のギャップに慄き、自分の非力さに葛藤し、本当の意味での強さを手に入れるべく、立ち上がっていく姿は圧巻。
しかし、成長して前に進めど、根っこは変わらないというところが、いくらヘンテコな信念でも絶対に折れない!というまっすぐな姿勢を見せ付けられた感じがして好印象でした。

また、この作品は巷で話題の歌い手(※動画サイト上で、既存の歌を歌唱した動画を投稿している人気ユーザー)とのコラボ企画により、主題歌までついているということ!
歌い手と大手出版社とのコラボ企画は前例が無いので、大きな話題にもなっています。

格好いい中二病ってなんだよ!?って方。 ちょっと読んでみてはいかがでしょうか。

(担当 佐藤ま)

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