【まんだらけトピックス】本・まんが・コミック・TOY・同人誌の専門店

「宇宙戦艦ヤマト」のアニメがセンセーショナルな時代。
そういう流れとは別の方向に目を向けたひとりの男がいました。
しかし大政奉還に尽力し、明治の夜明けを待つことなく倒れた当時の坂本竜馬のごとく周りの友人たちは彼の言論を嘲笑しまるで弾圧するかのような扱いを受けたそうです。
しかし、彼は不屈の精神をもって彼の信じるものをひたすら追い求め掘り下げ消化しそれをひとつの形として世に発信しました。

メインカルチャーの周縁、フリンジカルチャーと名付けた分野を研究、評論する宇田川岳夫。
80年代には同人誌「漫画ゾンビ」を編集。その後もQuickJapanにて幻のカルト漫画家、徳南晴一郎を取り上げるなど一貫してブレないスタンスを保持。
そのスタイルの根幹は「マンガゾンビ」の冒頭部分で語る彼の闇に葬られたフリンジカルチャーへの渇望、抑圧された思いを解き放つような形でアウトプットされた言葉で感じることができます。

墓地に葬られ甦ったゾンビのごとくかつてマンガが持っていた、いかがわしさを怪作・奇作を通して紹介するのがこちらです。
1950年に光文社の漫画雑誌「少女」にて「ホクロちゃん」でデビューしSF長編作「赤ん坊帝国」で少年漫画に進出し当時、手塚治虫と肩を並べるほどの人気作家になった高野よしてるなど著名作家のインタビューも掲載。
様々なカルチャーが混在する今こそ必読すべき1冊です。

(担当松原)