善も悪も関係ない、ただ「生きていく」物語です。 どこかシュールで、そこはかとなくドライ。 まるで童話を読んでいるような気になる、そんなライトノベルが「キノの旅」です。 主に主人公であるパースエイダー使いのキノをメインとした話なのですが、たまに名脇役をメインとした話もある、ショートストーリーの連なりという形式の小説です。 どの話も何かしらテーマがあるのですが、敢えてそこを強く主張せず、冷たく淡々と書くことによって「テーマを感じさせる」文体が特徴です。 そこで扱われているだろうテーマは正直言って残酷です。 「世界は美しくなんかない。だからこそ、美しい」 なんと言ってもこの一文が「キノの旅」の本質を表しているでしょう。 矛盾しているようで、矛盾ではないこの言葉。 ご存知ない方は是非まんだらけ なんば店までお越しになって、この不思議な物語を読んでみてください。
(担当 國廣)
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