平井和正というと、真っ先に名前が挙がるのが「ウルフガイ」シリーズ。
少年心をくすぐるソレは正にジュヴナイルSFですが、これはいかんせんアクション風味が強く、
SFというかサスペンスアクションものに感じてしまいます。 そんなわけで、本日は平井和正の「これをジュヴナイルSFと言わず何というのか?」と思えるほど、DISCLOSEのD-BEAT的な典型的なジュヴナイルSFをご紹介。 (トピックのタイトル見て「狼と香辛料」だと思った方いたら、すいません) 平井和正「美女の青い影」 簡単なあらすじ 近所にすごい美女が引っ越してきた。 その話を仲の良い隣人、人見みはる(ヒトミミハル)から聞いた佐伯高は驚いた。 その近所とはなんと、「幽霊館」だったからだ。 幽霊館といえば古めかしい洋館で、元々ジェイムズという異国の人が住んでいたが、その人が亡くって 空き家になってからは誰もその家に住み着かず、荒れ放題の屋敷となっている、不気味な屋敷なのだ。 そしてその美女は一歩も家から出ようとはせず、食料品等も全て宅配によるものでまかなっているというのだ。 しかもなぜか家に3300ボルトの高圧線をひきこむ工事を行っているというのだから、ますますもって謎の美女となっていった。 そんなある日、高は親の使いでタバコを夜中買いに行かされる。 そしてその道中、うずくまる美女を発見。(高にはなぜかその美女が、例の幽霊屋敷の美女だと分かった) 救急車を呼ぼうとする高を、美女はひきとめ、家(幽霊屋敷)に運んでくれという。 そして家に運んだ高に、何と美女はお礼といい一万円札の束を渡してきた。。。。。 いやー。この話大好きなんですよね。国産ジュヴナイルSFは何歳になっても楽しめるジャンルだと信じて疑わない 自分ですが、そんな国産ジュヴナイルSFの主な特徴といえば、 (1)主人公が学生(中学生がほとんど) (2)謎の転校生or隣人がやってくる(いる) (3)偽の警察や新聞記者が、その謎の人物を探している (4)主人公は不思議な力が「少しだけ(ここがミソ)」あったりする (5)もしくは、謎の人物に不思議な力があったりする (6)参謀として従兄弟が登場(登場しない場合は、はじめは不思議な出来事を信用していない担任先生が参謀のパターンもある) ではないでしょうか(あのジュヴナイルポルノSF作家と、光瀬作品ではあまり見られませんが) これが三個以上あてはまれば、国産ジュヴナイルSFと自分は思うのですが、いかがでしょうか。 では、この作品はどうか? (1)、(2)はもちろんあてはまる。 では(3)は?? 美女を助けた後、警察にその助けた美女のことを聞かれた高。 だがその後、従兄弟がその警察を偽者と見破る。 このことにより(3)もあてはまる。そして(6)も。 そして(4)だが、高はなんと幽霊(まわりの人には見えない「人」)を見ることがあるのだ。 このことにより(4)もあてはまった。 では、(5)は、、、、、、? これは、読む楽しみがなくなるので、伏せておきますね。 是非読んで確かめてみてください。 あー、SFって面白いですね。 記憶が出来てから、前にも増してSFを読むようになりましたが、やはり国産ジュヴナイルSFが一番自分にはしっくりきます。 あっ、忘れてました。 その美女のことをちょっと悪くいったみはるに高は怒ってしまい、気まずくなります。 これは、 (7)「(2)」の人物が女性であり、主人公(もちろん男性)に特定の仲の良い女性がいる場合、 その「(2)」の人物のことで、最初の方か中盤あたりで仲の良い女性と喧嘩をしてしまい、きまずくなる。 に該当しますね。 余談ですが、国産ジュヴナイルSFは、海外のジュヴナイルSF(として妙訳されたものも含め)にはない、愛と哀がつまっています。 数多の国産ジュヴナイルSFを読んで、何度胸がつかえて哀しくなったことでしょう。。。 そして国産ジュヴナイルSFは、はっきり言って読みやすいです。 まだ未見の方、とりあえず一度読んでみてください。 魔法や剣が出てこないライトノベルがちょっと前騒がれていましたが、国産ジュヴナイルSFもロープレみたいな魔法や剣は出てこないライトノベルですよ。
(担当 三次)
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