ミステリーを読みたいと思って、心待ちに未訳を待っていても、やはりなかなか出ませんよね。 最近の一連の海外ミステリ刊行しているシリーズであっても、毎月必ず出ているというわけではないですし(訳したりなんだりで、そんなことは不可能とは頭ではわかってはいるのですが) そうなったら、今までに刊行されているものを読むしかないわけで、しかし一度読んでしまったミステリをもう一度読むという行為は、なかなかできないものでして。 例えば、特殊なタイプの本だったら、読み終わってすぐもう一度読み返したりするんですが、(ベタなとこだと、筒井のロートレック荘〜とか、パットマガーの一連の作品とか、野村胡堂の花房シリーズとか??)ですけど、なぜかこう「もう一度」って気にならないんですよね。 それって、既に犯人が分かってしまっていたり、トリックが知れてしまっていたりするわけだからなのか、なぜか、なんですよね。 でも、それが仙花紙本だったり、ジュヴナイルだったりすると、なぜか「読みたい!」って衝動が沸き起こってしまいます (これってわたしだけではないはず) (もちろん新訳や、訳違いで内容が様変わりしていれば、ジュヴナイルや仙花紙などではなくても読んでしまいますが) 今回紹介するのは、ジュヴナイル小説においてSF・ミステリ共に良質なシリーズを刊行しているあかね書房より 「少年少女世界推理文学全集」 ではご紹介。 X線カメラのなぞ/マルタの鷹 ガードナー/ハメット ※山下勇三・絵 ¥1260 こちらはガードナーとハメットの短編を収録したもの。 ハメットとはもちろんダシール・ハメットのこと。 そのハメットの代表作の一つ「マルタの鷹」のジュヴナイル版。 一般的に流通している小鷹信光訳ではなく、亀山龍樹訳。 にしてもハードボイルド作家のジュヴナイル小説て矛盾しますね。 そして、ガードナーの短編「X線カメラのなぞ」も収録。 こちらはレスター・リースシリーズの一つ。 ですが、なぜかこちらハヤカワさんから出たレスターリースの作品群の中に入っていないという作品。 もし、あかねさんがこうやって刊行してくれなかったら、必死こいて当時の海外小説紹介していた探偵雑誌探したりしなきゃいけなかったと思うと、感謝ものです。 そしてヴァン・ダイン。 エジプト王ののろい/スコッチ・テリアのなぞ ヴァン・ダイン ※黒田征太郎・絵 ¥2100 こちらは、カブト虫殺人事件と、ケンネル殺人事件のジュヴナイル版です。 この時期のヴァンダインの作品はみな脂がのっていて個人的に大好きです。(カナリヤ〜とかもう、、) 読んでいて楽しくなりますし、そして賢くなった気がするから不思議。 最後に女王。 エジプト十字架の秘密 クイーン ※横尾忠則 ¥1050 「中学時代に国名シリーズ読破した人手を挙げて」で 「はーい」と手をあげる人いたらめっさ語りあいたいです。 って、紹介しなきゃですね。 こちらはクイーンの国名シリーズの一つ。 冒頭におけるダラーンとしたシーンを省いた、ジュヴナイルならではの成功。 こちらは、函が欠品。 横尾の絵とあわさって、より奥深い作品へと昇華しています。
(担当 三次)
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