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日本の数少ない道教団体「日本道観」。
その創始者である故早島正雄氏が自信をモデルとして解説した導引術の写真解説集です。
導引術で有名になった氏による解説書でありますが、注目すべきは「道家合気術」なる武術で各項目ごとに導引術と一緒に応用技としての合気術の写真解説が付されてをります。
道家の修行で呼吸といふものを徹底的に追求した上でその呼吸力で合気術をやるといふのだからその威力たるや凄まじいでせう。
とくに早島師は武田系の大東流合気柔術の遣ひ手だったといふのだから尚更であります。
現在の合気会であれ養神館であれ、呼吸を道家ほどシッカリはやってゐないやうなので、現役の合気道士が更なる研鑚を積むためにはこの道家合気術を研究してみるのも良いかも知れません。
本書は写真解説のみでなく道家・道教そのものの解説にも分量を割いてをり、これ一冊で真にタオイストたるはどういふことか、といふことが明瞭となりませう(荘子は「刻意編」で導引をあまり認めないふうなことを名言してゐますが、それについてはまた別途)。
本書冒頭の早島師の道衣姿をみると、これぞタオイスト!と思ってしまひます。
(担当 山口ケン)
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