2005/12/11掲載
まんだらけ中野店 4F マニア館

『月刊わんぱっくコミック』1989年1月号(廃刊号)


日本を風水で見たときに、一番悪い場所と言われる大阪府枚方市。
この町で漫画誌の持つ思想の違いから2つの小学校の2年同士で戦争がおこった。
交北小学校はコロコロ、山田東小学校はボンボン。場所は、その2つの小学校の中間に位置する山田神社の境内。
「素手でこいよ」との山田東の指示通り向かった交北が、警棒でメッタ打ちされるというお決まりの展開で山田東の圧勝。
交北のアタマが山田東の連中のクチャクチャと噛んだハイチュウを食わされるという儀式をもって、この戦争は終結した。
ガッツな笑いより下ネタが勝利した事は、当時の田ノ口周辺の小学生にとってセンセーショナルな出来事だった。

こんな大事件が起こっている時、わんぱっく派の僕は狭い部屋のなかで弟と二人でゾンビーズにスライム詰めまくったり、悪魔の実験室の粘土をカーペットにこびり付かせて怒られたりしていた。
ハリマ王とゾンビーズを集めてる人なんてまわりにいないから、実質一番の友達は弟とターボ(犬)だけだった。
弟が「わんぱっく」に掲載されていた「ヤマブキ」というイリオモテヤマネコが古代犬と戦う漫画の中にあるペット紹介のコーナーに1度掲載された時、寺川先生お手製のヤマブキステッカーが届いた。
僕らはますます入れ込み「命ハチマキ」を手に入れたり、テクニ四駆に手を出したりしていた。
ある月、お小遣いが足りなくて「わんぱっく」が買えなかった。
それから近所の本屋に「わんぱっく」が置かれなくなった。自分たちが買わないから置かなくなったと思った。
そこは猫が店番をしていて、レジに本を持っていくと猫が店主を呼びに行く変わったスタイルの店で、その猫の眼光は鋭く「わんぱっく」を買わなかったという事を怨んでいるかのように感じた。
僕は呪いをかけられるのではないかと思って、その本屋は放課後ルートから外す事にした。


僕達2人は「わんぱっく」の存在を忘れてしまった頃に寺川先生お手製のヤマブキキーホルダーが届いた。
当時の僕と弟は、このキーホルダーが届いた理由がわからずに「わんぱっく」を買わなくなった罪悪感ばかりが募った・・・・
それから、そのキーホルダーを見るたびに心が痛くなりいろんな本屋に行ってみたが「わんぱっく」は見つからなかった。

それから17年。
まんだらけで働き出して3年半、いつものように買取をしていると「わんぱっく」が来た。
一冊だけ見覚えのない表紙がある。
それは廃刊号だった。まさかと思い、ヤマブキのページをめくると、

−大阪府 国沢孝司くん ぼくのうちの犬は片目なので、みんなこわがっているんだ。−

「アッ!」と声あげてから、お持ちいただいたお客様の名前を見た瞬間、起動音がなって脳の血液が正常に流れ始めた感触がして前頭葉が熱くなった。生きる意味って無くもない。

『月刊わんぱっくコミック』1989年1月号(廃刊号)湿気含みでの歪みあり\4,200(税込)


(担当 國澤)

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