ゲームの中でも長い歴史を誇るものは、ノベライズも当然ながら非常に多く発売されています。
その最たるものが、↓の「ファイナルファンタジー」になります。
(図1)
一番最初のものは、まだスニーカー文庫創設前の角川文庫から発売された、寺田憲史先生の小説で、最近のものでは、ファミ通文庫から出ているはせがわみやび先生のFF11の小説で、こちらは
実に20数冊既刊が存在します。
ファイナルファンタジーほど、歴史も作品数も多いゲームになると、作品数も膨大な数になります。
FFといえば、もうひとつ日本を代表するRPGは「ドラゴンクエスト」ですが、こちらのノベライズはその作品のネームバリューほどには出ていません。
オールドラノベファンならば、あの久美沙織先生の『やりすぎ』感たっぷりの怪作品「精霊ルビス伝説」は忘れられないところでしょう。
(図2)
本編の精霊ルビスからは全く想像できないような人物像に、なぜかちょくちょく挿入される大人なシーンに、カタストロフなラストと、ドラクエ好きが高じて読み始めた読者たちにはかなりハードルの高い小説でした。
また、アニメ版「アカギ」の脚本などで有名な高屋敷英夫先生の…な出来のドラクエ1・2・3の小説もある種忘れがたい作品です。
(図3)
ストーリーの起伏はさておき、不自然なまでに説明口調な部分が多く、”レベルアップしていく過程”を小説で書く苦労が読者にも伝わってきました。
「精霊ルビス」「高屋敷版ドラクエ」ともに、最初の版がハードカバー+各1000円超えの値段設定というのも、バブル経済全盛の時代をしのばせます。
FF、ドラクエ以外の有名タイトルの中でも、ノベライズの多さでは「テイルズシリーズ」が間違いなく一番だと思います。
(図4)
集英社スーパーダッシュ文庫・ファミ通文庫で主に発売され、ほぼ全シリーズノベライズされています。外伝のなりきりダンジョンまで小説化されているあたり、ノベライズのファンの多さがうかがい知れます。
しかし、このシリーズにも「テイルズオブデスティニー ルーティのルール」(電撃文庫)という怪作があったりします。
かなりの原作ガン無視なキャラ造形(とくに主人公ルーティ)とストーリーは、TODのキャラじゃなくて作者オリジナルで一本作るべきだったのではといぶかりたくなる内容。
テイルズシリーズはキャラクターが魅力なだけに、いろいろと手を加えたくなるのかもしれませんが、結果として電撃文庫ではここ数年テイルズシリーズはノベライズされていなかったりします。
次回はまた違う話題で書いてみたいと思います。
(担当 有冨)
※この記事は2009/4/15に掲載したものです。